2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョニー・トー『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』

原題:Vengeance/復仇 製作国:香港・フランス(2009年) 監督:ジョニー・トー キャスト:ジョニー・アリディ(フランシス・コステロ)、アンソニー・ウォン(クワイ)、ラム・カートン(チュウ)、ラム・シュ(フェイロク)、サイモン・ヤム(ジョージ・…

ダニエル・T・マックス『眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎』紀伊國屋書店

Daniel T. Max, The Family that couldn't sleep. 著者は十八世紀のヴェネチアから話を始める。この地に住むある医師が不眠症に陥り、発汗や体の震えなどの症状に悩まされて亡くなる。そして、この医師の甥と思われる人物およびその家族もまた、同じような死…

モーリス・ルブラン『八点鐘』新潮文庫

Maurice Leblanc, Les huit coups de l'horloge (1923). 『八点鐘』は短編集の形式になっているが、同じ主人公ふたりが活躍することから、一編の長編小説ともみなせる面白い構成になっている。八つの冒険を繰り広げるのは、セルジ・レニーヌ公爵ことアルセー…

モーリス・ルブラン『虎の牙』創元推理文庫

Maurice Leblanc, Les Dents du tigre (1921) 富豪コスモ・モーニントンが、二億フランの財産を残して変死した。その変死の謎を捜査していたヴェロ刑事も、歯形のついたチョコレートを残して毒殺される。モーニントンの遺言で、相続人の捜索は友人のドン・ル…

キム・テギュン『クロッシング』

製作国:韓国(2008年) 監督:キム・テギュン キャスト:チャ・インピョ(キム・ヨンス)、シン・ミョンチョル(キム・ジュニ)、ソ・ヨンファ(キム・ヨンハ)、チョン・インギ(サンチョル)、チュ・ダヨン(ミソン) ※以下の文には映画のネタばれとなる…

モードリス・エクスタインズ『春の祭典』TBSブリタニカ

前々から欲しいと思っていたエクスタインズの『春の祭典』を、吉祥寺の某古書店で発見。値段は1500円だった。去年末に出た新版は定価が9000円以上するし、旧版もアマゾンのマーケットプレイスでは結構な値段がついているので、迷わずに購入した。古書店をま…

松村喜雄『怪盗対名探偵―フランス・ミステリーの歴史』双葉文庫

日本に与えた影響の大きさのわりには、あまりよく知られているとは言えないフランスミステリーの長篇評論。基本的に作家ごとの章立てになっていて、ジュール・ヴェルヌやマルセル・シュウォップなどの作家も取り上げられている。各章の分量は著者の思い入れ…

ヤン・イクチュン『息もできない』

製作国:韓国(2008年) 監督・脚本:ヤン・イクチュン キャスト:ヤン・イクチュン(サンフン)、キム・コッピ(ヨニ)、イ・ファン(ヨンジェ)、チョン・マンシク(マンシク) 『息もできない』は、人材がキラ星のごとくひしめく韓国映画界に、また新しい…

マルセル・カルネ『天井桟敷の人々』

原題:Les Enfants du paradis 製作国:フランス(1945年) 監督:マルセル・カルネ 脚本:ジャック・プレヴェール キャスト:アルレッティ(ガランス)、ジャン=ルイ・バロー(バチスト)、ピエール・ブラッスール(フレデリック・ルメートル)、マルセル…

モーリス・ルブラン『棺桶島』新潮文庫

Maurice Leblanc, L'Ile aux trente cercueils (1919) 巨石建造物研究家のデルジュモン氏の娘ベロニックは、ポーランド貴族を自称するボルスキーという男と結婚する。娘の結婚に反対だったデルジュモン氏は、ふたりの間に生まれた男の子を誘拐し逃走。そのま…

種村季弘『偽書作家列伝』学研M文庫

電車の中で少しずつ読んでいた『偽書作家列伝』を読了。ちょっと前に読んだ、長山靖生『人はなぜ歴史を偽造するのか』では、愛国心と歴史が結び付いたときの、きな臭さを感じさせる話が多かった。『偽書作家列伝』はもっと肩の力を抜いて読むことのできる話…

ピエトロ・ジェルミ『鉄道員』

原題:IL FERROVIERE 製作国:イタリア(1956年) 監督・脚本:ピエトロ・ジェルミ キャスト: ピエトロ・ジェルミ(アンドレア) エドアルド・ネボラ(サンドロ) ルイザ・デラ・ノーチェ(サラ) シルヴァ・コシナ(ジュリア) 旧作映画ばかり50本を上映す…