北欧文学

ストリンドベリ『痴人の告白』(1888)

(『講談社 世界文学全集24』所収) 1877年、ストリンドベリは、元ウランゲル男爵夫人であるシリ・フォン・エッセンと結婚する。一時は作家であることをほとんど断念していたストリンドベリであるが、この結婚によって生活も落ち着き、再び創作活動へと向か…

ストリンドベリ『夢の劇』(1901)

(『講談社 世界文学全集58』所収) 人生これ反復…あの教師を見ろ…昨日は博士となり月桂冠を授かり礼砲を受けてパルナッソスに至り、王さまの抱擁まで受けた…それで今日はまた学校で同じ質問の繰り返し、二掛ける二はいくつ?死ぬまでそれを続けるだろう…さ…

ストリンドベリ『強者』『母の愛』『火あそび』

(『講談社 世界文学全集58』所収) 『強者』(1888〜89) 一幕劇。登場人物はX夫人とY嬢の二人だが、X夫人が一方的にしゃべり続け、Y嬢はそれを黙って聞くだけという一種のモノローグ劇になっている。 【あらすじ】 Y嬢はX夫人の夫のかつての愛人。ひとりの…

ストリンドベリ『令嬢ジュリー』(1888)

(『講談社 世界文学全集58』所収) 登場人物は三人。伯爵令嬢のジュリー(25歳)と下男のジャン(三十歳)、そしてジャンの許嫁で料理女のクリスティン(35歳)。 【あらすじ】 夏至祭の夜、ジュリーは下男のジャンをダンスに誘う。ジャンが人目を気にして…