管賀江留郎『戦前の少年犯罪』
最近読んだ本ではないのだが、この本の著者が出ている動画を見つけたのでひとこと。
http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=749711
この本は、今であれば新聞の一面を飾るような少年犯罪事件が、戦前には日常茶飯事のように起こっていたことを膨大な新聞記事の調査から明らかにしている。テレビや新聞では少年犯罪が現代固有の問題であるかのように語られるているが、実際には昭和30年代をピークに、少年犯罪の発生件数、発生率は大幅に減少している。昔に比べれば今の子供は、より巧妙に「管理」されているわけだから、善かれ悪しかれ従順でおとなしくなっているであろうことは、容易に想像できる。やんちゃな子供が減って、優等生タイプの子供が増えた。少年犯罪が減ったとしてもちっとも不思議ではない。著者もあとがきで書いているように、少し調べたり考えたりすればわかることでも、人は誤った情報や根拠のないイメージのほうを安易に信じてしまうことがある。それも素人だけではなく、その分野の専門家でさえそうなのだ。この本は、その一例を示している。
ところで、この本を書評欄で扱った新聞はあるのだろうか。個人的には、産經新聞あたりに取り上げてもらえたら面白いと思うのだが。
- 作者: 管賀江留郎
- 出版社/メーカー: 築地書館
- 発売日: 2007/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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